何をするにしても、「成功しますように!」や「がんばろう!」という気持ちに反して、私たちが思い描く結果にならないことがあるのはなぜでしょうか。
それは、私たちの「考えること」と「すること」の間で起こっているズレがあるからです。
そのズレは、いつの間にか身についてしまった習慣と関係があります。
そして、その習慣がどのように自分自身の使い方とつながっているのかに光をあて、解決の糸口をみつけていくことを、アレクサンダー・テクニークは提案します。
私たちにとって、何かを学ぶということは、新しい情報や経験を増やしていく「足し算」であることがほとんどでした。
けれども、それまでしていたことをやめていく「引き算」が、アレクサンダー・テクニークのレッスンでは大切な要素になります。
アレクサンダー・テクニークでは、習慣的であり、無意識的にしている緊張に気づき、それをやめていくことを学びます。
「問題は、それが発生したときと同じ意識では解決できない。」― アルバート・アインシュタイン
アレクサンダー・テクニークを学ぶことで、つぎのような効果が期待できます。
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つぎのような方に、アレクサンダー・テクニークは役立ちます
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F. M. Alexander(フレデリック・マサイアス・アレクサンダー)は、俳優にとって大切な声が舞台の上でかすれてしまうという状況に陥りました。
日常生活での支障はなく、休養をとること以外に医師からの助言はありませんでした。そして自ら原因を見つけるため、三面鏡の前の自分自身を観察しつづけました。
まず彼が気づいたことは、せりふを言うために声を出そうと思ったそのとき、自分の考えとは異なり首の後ろを縮めて頭を背骨に向かって押しつけ、声帯に不必要なプレッシャーを与えていたことでした。
F. M. Alexander (1869-1955)
アレクサンダー・テクニーク創始者
さらに観察をつづけた結果、本来備わっている能力が十分機能するためには自分でしている余計なことををやめていくことにその鍵が潜んでいるという結論に達しました。
そして声を取り戻しただけでなく、呼吸それ自体、さらにはよりよい健康状態をも手に入れました。
アレクサンダーは20世紀初頭のロンドンにおいて「演劇界の保護者」と呼ばれるまでになり、それ以降21世紀の今日に至るまで、パフォーマンスアート界に多大な貢献をしてきました。
また近年は、スポーツや医療の分野、器具メーカーやIT企業などにも受け入れられており、その効果が認められています。